大人スタイルの新常識

大人スタイルの新常識 の詳細

流行にされないという意味では良い本だと思います。実際には彼女の提案する服装は今の日本においてはやや派手であったりちょっと浮いたものでありますが(大ぶりのネックレスやストールの多用、カラー製品を勧めるなど)色数をベーシック3色だけに絞らせる本ですとか、カラー診断で着る色やテイストを固定する本、とにかく捨てさせる本など、自分の個性をなくしていこうとするのがトレンドの昨今、「好きな色にチャレンジすれば良い」と断言する言葉など服に対する遊び心があり、好感を持ちました。ただ、実用する際にはその遊び心ゆえの「ゆるさ」の自制が必要でしょう。大人の色柄の多用は実際にはかなり危険ですし大ぶり、またカラーの強いネックレス、スカーフなどは正直関西のおばちゃまのように見えたりします。また「ショップ店員に従う」というような法則もありますが、若い頃からの服オタクですが正直ショップ店員に付き合って買って着なくなった服の方が多いですから、たくさん服を着てきた大人こそ「自分らしさ」を大切にする品は必要だと考えます。ショップ店員さんに勧められるまま服をチョイスすると、ショップ店員さんは彼女のセンスで売ろうとしてきますから自分の本当に作りたいイメージとかけ離れて流され、結局そのスタイルに納得できずに死蔵する服が多いのです。服は結局自分が着ていて過ごしやすいものが1番大切ですから、他人の勧めるままにバリエーションを増やしていってしまえば、どこまでいっても新しい自分にしか納得できず、服難民から抜け出せません。そういったこともあり一口に大人とは言いつつ、実際には50代以上の、服への意欲がなくなった方に向けた本なのかなと理解しました。法則としても40代前後がやると危険なものも幾つか。今ファッションを気にしているアンダー50は恐らくかなり洗練されていて、遊び心のままに服を着るのはNGと心得ているでしょうから、本当にセンスよくなりたいのであれば他のやや厳しい本の方が参考になるかと思います。基本的に写真のないコーディネート本はあまり信用していませんが、この本も例によって実際に写真を載せてしまうと人をかなり選ぶ服装になるかと思います。ただし、形さえ気をつければ好きな色も柄物も大きいアクセサリーもOKという本ですから、個性的なファッションをしたい方は読んでいて服に対してワクワクは出来るでしょう。もう少し、ファッション本でも遊び心を大事にしつつも、きちんとシックにエレガントにまとまるような大人のファッション本が出てくれると嬉しいのですが。